易観シンクタンクアナリスト:閻小佳(イエン・シャオジア)
EnfoDesk易観シンクタンクの分析では、中国の電子商取引B2B市場の発展をけん引する動きは7つあり、その具体的内容は以下の通り:
1、電子商取引アプリの普及、そして常態化
ここ数年、各レベル政府、主管部門、各業種業界の協会と電子商取引サービス企業、電子商取引アプリケーション企業、電子商取引関連サービス企業の努力で、電子商取引産業は注目される発展をした。現在の電子商取引のアプリケーションはすでに高い普及率と常態化の動きを見せている。
電子商取引は人々の生活や消費行動を変えているだけでなく、社会の安定、経済の発展、就業機会の拡大、消費の増加を促進する重要な意義を有している。さらに、産業を一段階上へ押し上げ、企業が事業転換する重要な手段となった。同時に、電子商取引サービスはすでに商業経済の各方面をカバーしている。それは、国民経済の製造業分野、サービス業の流通分野、また、企業で使うアプリ、個人で使うアプリ、政府調達もカバーし、国内取引サービス、外国との取引サービス、インターネットの電子商取引、モバイルインターネットの電子商取引においてである。
インターネットの普及と市場の需要にけん引されて、中国企業は次々とインターネット化が進み、とりわけこの数年は、新型の電子商取引業態が続々と生まれ、国内の電子商取引企業は、急速に発展する新たな段階に突入した。
2、従来型企業は電子商取引へ移行、急速に台頭する電子商取引サイト立上げサービス
電子商取引サービスの多元的発展と、産業チェーンの川上・川下がコントロールする内需により、ここ数年は、オンラインの電子商取引プラットフォームがオフラインの実体に参入する動きが次第にみられるようになった。これは、純粋にオンラインのプラットフォームのサービスを補うことに加え、電子商取引のプラットフォームの利益モデルが単一なものから多元化されたものになり、これによって各業種業界が参入するハードルがさらに高くなった。従来型の卸売市場と各業界の企業も電子商取引の影響を受け始め、次々にオフラインからオンラインへと展開し始めた。
現段階では、中国のB2B電子商取引の発展には2つの大きな動向がみられる。プラットフォーム化と細分化、前者はアリババなど、後者は中国化工網などである。10年の発展と停滞を経て、中国B2B電子商取引市場の競争はさらに激しくなっている。特に、プラットフォーム化電子商取引モデルは、さらに長い時間、資源となる資金投入と市場での育成が必要である。そして、細分化の電子商取引モデルでは、戦に置き換えて言うならば、自分の専門分野で競争相手に見晴しのきく高台を占領されない為に、逆に細分化された分野で奇兵を出すことが可能である。このため、細分化された分野は、多くの企業が電子商取引に進軍し、一番のルート・陣地を勝ち得ている。
従来型の企業は、細分化された電子商取引市場にある幾重もの包囲を突破したいと考えている。本業の経験とその資源を頼りにすることが必要であるだけでなく、さらに、人材と専門技術を提供する業者、この2つの力が突破する為に必要である。電子商取引の専門の人材と技術提供の業者は、電子商取引戦略上で成否のカギを握っている。そして、わずかな力で大きな効果と価値を実現することができるのである。これにより、市場では、専門の電子商取引サイト立上げサービス業者が、企業にサービスを提供すると同時に、マーケティングにおけるソリューションも提供する。
3、オンラインB2B市場オフライン決済からオンライン決済に移行
第三者決済業者介入で加速
ここ数年、ネット販売が盛んになり、淘宝などのプラットフォームの個人セラー数は百万人レベルに達した。ネットを基盤としたサプライヤーとリテーラーによる新型のサプライチェーンのひな形は、すでにできている。アリババのリニューアル版は、1688卸売市場を発表し、卸売のプラットフォームと小売ルートをつなげる考えで、オンラインとオフラインのルートを次々に融合させている。このサプライチェーン形成の必要条件は、オンライン決済サービスの誕生にある。オンライン決済で資金回転率を改善し、生産効率を高めることができる。これは、産業チェーンの形成に重要な作用を持ち、この背景があって、オンライン決済に対して中小企業に大きな需要が生まれた。
近年、従来型の市場は、電子商取引の衝撃と自身のコスト高の危機に直面し、電子商取引化に向かう動きとなった。実体の卸売市場は、移行過程にあり、これまでの卸売市場オンライン業務での不足を補うだけでなく、電子商取引のオンライン取引サービスを深め、新しくした。義烏網は、ネット卸売市場を発表した後、オフライン、オンライン2つの決済方法を取り入れ、利用客は自由にオンライン取引方法を選択できるようにした。1688卸売プラットフォームが発表された後、そこに組み込まれた支付宝のオンライン担保決済サービスは、情報サービス会社がオンライン上で取引していないサービスの空白を埋めた。また、オンラインB2B電子商取引が、情報の流れを作るところから、資金の流れを作る方向に進化した。卸売市場には取引限度額があり、また利用頻度も高いことから、オフラインにおける卸売市場電子商取引化は、オンライン取引に対して大きな需要をつくると考えられる。そして、これは、電子商取引会社に現在あるサービスの動力エンジンを大きくさせ、同時に第三者決済会社に新しい応用分野拡大のチャンスをもたらすと思われる。過去のB2B取引において、多くは銀行が単独で決済と決算のプラットフォームの役割をしていたが、第三者決済会社の介入に伴い、電子商取引会社自身の商品とサービスの優勢を利用して、B2B電子決済市場を深く掘り起すために、銀行と共にお互いを補完する競争の仕組みを形成すると考えられる。
国民経済が転換し、異なる決済方法が生み出す商業価値が顕在化してきた。電子決済の代替効果は特に鮮明である。その価値は明らかに従来型の決済方法を超えている。これと同時に、インターネットとモバイルインターネットの発展に伴い、次第に多くの非銀行、非金融機関が決済業に参入し、その中で第三者決済は最も市場規模のある主力部隊と言える。
第三者決済のこれまでの主なサービスは、B2CとC2C市場であった。その業務の重点は主にネット通販とエアチケット購入など個人オンライン消費市場に集中していた。それまで、第三決済会社はB2B電子商取引の分野に介入することは難しかった。それは、多くの企業が決済会社に対し、第三者信用機関となり、巨額の資金処理をするには信用不足であったこと、決済業自身B2B市場に担保取引を提供できないなどが主な理由である。
「非金融機関決済サービス管理弁法」及びその細則の実施に伴い、第三者決済は最終的に非金融機関として金融管理監督体系に組み込まれた。これは、第三者決済企業が、「インターネットサービス提供会社」から「金融サービス提供会社」に必ず転換しなければならないことを意味する。国家の新しい政策規範と手引きにより、第三者決済業界が、取引の安全とリスクコントロールにおいて全面的にレベルアップし、国民経済が、第三者決済業の変化を受け入れることで、決済会社によりB2B市場の展望が開かれると考えられる。
4、電子商取引市場で銀行の効果力 ネット融資がB2B市場新しい成長点に
オンラインB2B業界はすでに情報サービスの段階を超え、取引サービスの段階に入った。その中で資金サービスはこのセグメントの重点である。しかし、銀行の中小企業への貸し渋りは、回避し難い問題であり、各大手のオンラインB2B企業もこの未開拓の市場いわゆるブルーオーシャンに注目しており、どこよりも先に市場を押さえようしようとしている。
経済環境の変化に伴い、中小企業のB2Bプラットフォーム需要は日増しに旺盛になっている。ユーザーの定着率を高める為、転換段階にあるB2B電子商取引市場に、バリューアップサービスがもたらす作用は明らかである。金融危機の影響がまだ残る状況で、B2Bプラットフォームで中小企業が直面するのは、資金ショートの問題であり、この段階の中小企業にとって解決が急がれる問題になると考えられる。
中国人民銀行、銀行監督管理委員会、証券監督管理委員会、保険監督管理委員会の連名で公布された「中小企業向け金融サービス改善工作の若干意見」の中で、中小企業向け融資をオンライン審査する研究推進が提示され、審査情報ネットをつくり、プラットフォームを共有するとした。この主旨は、中小企業への金融サービス改善、融資ルート拡大、借入難の緩和であり、中小企業の発展をサポートすることである。
ネットの融資サービスは、銀行と小額融資会社の経営コストを下げる。資金を必要とする側にとって、このサービスは満足できる使い勝手がよいものである。ネット経済が急速に発展する一方で、金融緊縮は企業の運転資金と起業する側にマイナスの影響をもたらした。このため、ネット融資は、ある特定の期間においては、特定の価値があると言える。
同時に、アリババ、金根島、網盛生意宝などオンラインB2B企業は、ネット融資サービスを手掛け、成功した。銀行も、オンラインB2B市場の開拓に力を入れ始めた。現在あるネット融資の電子商取引プラットフォームは、中国銀行、建設銀行、工商銀行など国有銀行が手掛けている。他には、浙江泰隆銀行のような株式制商業銀行も参入している。
今後、第三者電子商取引プラットフォームを基にしたネット融資はB2B企業の転換段階における業界成長点となると思われる。
5、ソーシャル電子商取引が営業の新たな道に
SNSソーシャルネットワーキングサイト、Web2.0、マイクロブログのウェイボーなど、新興インターネットアプリが台頭する時代に、消費者は、友人達と良い関係を維持できる上に、ソーシャルネットを通じて、自分の活動の場を広げることができる。企業ユーザーにとっては、これらのソーシャルネットは消費者とビジネス側が、意思疎通できる重要なルートである。ソーシャルネットの登録ユーザーは基本的に実名であり、広告主・クライアントは、リッチメディア広告を投入するのに有利である。そして、その費用対効果も大きい。このため、SNSは、徐々にビジネス側の好評を得て、電子商取引営業の新たなルートになったのである。
6、モバイル電子商取引は電子商取引発展の新たな推進力になる
中国の電子商取引は、SP、ネット広告、ネットゲーム、バーティカル検索、WEB2.0、B2C電子商取引などのホットな市場での争奪を経て、「ポスト3G時代」の到来に伴い、モバイル電子商取引市場の独占を競う新しい段階に入った。
モバイルユーザーの急速な増加と、モバイル通信技術情報化分野の応用発展により、我が国のモバイル電子商取引の発展は、速度制限のないスピードコースに入った。モバイル電子商取引はモバイル情報サービスと電子商取引の融合の産物として、独り勝ちとなっており、その優勢にある5つの点を以下に挙げる。
その1、ビジネスにおいてどこにでもある利便性。モバイル電子商取引の最も優勢とされる点は、ユーザーが、いつでもどこでもビジネス活動ができることにある。
その2、ユーザー数の多さ。
その3、サービスの個性化。ユーザーは、自分の必要性と好みでモバイル電子商取引のサービスと情報を決める。
その4、モバイル決済のスピードと利便性、低コスト。
その5、整った信用の仕組み。携帯電話の番号は唯一のものであり、携帯電話カードにユーザーの情報をメモリーすることでユーザー個人を確定できる。
モバイル電子商取引が急速な発展をするに従い、さらに多くの企業がこの分野に注目し、そして、中小企業重視に動き出した。これも市場の競争構造を激化させた要因である。これだけでなく、将来を見据えた電子商取引会社は、モバイル決済、業界のポータル、モバイルIM、モバイル検索、モバイル旺鋪、モバイル位置情報などの分野で戦略的配置を急いでいる。また、モバイル電子商取引のスピード発展に伴い、さらに多くの企業がこの分野に参入を考え、中小企業を重視し、市場競争の激化が必然となっている。
同時に、アリババ、聯想、百度などの多くの業界トップ企業は、この価値を意識するだけでなく、早くからモバイル電子商取引分野にのり出している。アリババグループを例にその状況を見ると、アリババグループは、B2B、B2C、C2C、支付宝などに移行が可能であり、携帯の電子商取引に迅速に応用できた。早くは2004年に、インテルと共同でつくった中国で初めての電子商取引のプラットフォームがある。2007年8月に、阿里旺旺モバイル版を発表、オンライン、オフラインの相互交流が実現した。2008年2月に、淘宝網、支付宝が、モバイル電子商取引分野(携帯版淘宝網、携帯支付宝)に参入した。2011年2月、チャイナユニコムとアリババグループは、北京で戦略協定に署名し、正式に双方が基礎通信サービス分野、インターネット、WCDMA方式の3Gで無線ネット接続のバリューアップ業務分野で全面的に協力を深めると発表した。すでに多くの企業が次々とモバイル電子商取引市場のパイをねらっているが、モバイル電子商取引にある潜在的力は人々の想像を大きく超え、発展の余地は大きいと考えられる。
7、電子商取引はクラウドの定着を加速 先にクラウドの応用が必要
急速に発展する電子商取引はすでにクラウド応用誕生の重要なエンジンとなっている。
アリババから敦煌網まで、全てクラウドを使っている。かつまた、これらの電子商取引の巨人達が、クラウドホストコンピューターを使って、電子商取引を支えていることが、多くの中小企業のコンセンサスとなっている。
中国万網のクラウドホスト、ユーザー調査では、鋒クラウドホストが発表されて以来、コミュニティフォーラム、石化、白物家電、外国貿易、ファッションなど異なる業種の分野で応用が成功し、その中で、電子商取引ユーザーが相当多くを占めている。「クラウドホスト」を代表として、インターネット技術が、電子商取引の発展段階における必要なサポートをうまくできている。
電子商取引は、通常高い割引率で品数も多くネットユーザーに人気がある。しかし、電子商取引の回線利用状況から分析すると、突発性と併発性が比較的強い。もし、万全のテクニカルサポートがないならば、サーバーが多くのネットユーザーの同時ログイン要求対応時に、回線渋滞となり、画面展開に緩慢現象が現れる。ひどい場合には、サーバーダウンとなる。例えば、2010年6月11日に、京東商城が祝日販促で、アクセスが殺到し、3時間にわたりマヒ状態となり、その経済損失は1千万元以上となった。
クラウドは、高い安定性と信頼性、安全性を備えており、電子商取引の難題を解決した。
同時に、2010年以降、中捜を代表とするクラウド応用プラットフォームが出ている。中捜は、ハード、ネット、ソフト、フレームシステム、プラットフォームなど、応用サービスを従来型企業に開放している。協力経営のモデルに従い、従来型企業と共同でその業界の電子商取引分野に参入している。これにより、クラウドコンピューティングが全面的に応用レベルとなり、国内の従来型企業の中で、配置と実践が可能となる。成熟したクラウドの応用成果が、各業種業界の参考となり、そして国内企業にクラウド技術の普及展開を効果的に推し進めると考えられる。